徳善寺だより
徳善寺だより 第28号 平成23年 2月
今年も早1ヶ月少しが経ちました。2月に入り神戸にしては珍しく雪がちらちらと舞う日もあり、寒さが厳しく感じられます。本年も宜しくお願いいたします。
今年はいよいよ親鸞聖人750回大遠忌法要が京都本願寺で厳修されます。寺坊からも4月16日、ご門徒40名ほどで参拝予定です。親鸞聖人が「あらゆる人々が幸せな人生を送れますように」と願われたお念仏の御心を、この五十年に一度のご勝縁に感謝いたし、味わってまいりたいと思っております。
それと、ご存知の方もおられると思いますが、昨年の12月から当寺において増築工事を行っております。
当寺は神戸大震災により全壊全焼し、震災後1年と経たずに再建いたしました。当時としては神戸近辺では一番はじめに復興したお寺でした。しかしながら、本堂が二階にあり、ご門徒の皆様が外階段をご苦労して昇り降りする姿を見る度、「なんとかしなくては」「もっと沢山の方々がお参りに来てくれるお寺を目指そう」と思い、一大決心をいたしました。増築部分にエレベーターとトイレを新設しますので、車椅子でのお参りも可能となります。
今年に入り、いざ工事に掛かりますと、お寺の地下から遺跡が出てまいりました。約2300年前、弥生時代の土器や当時住んでいた人たちが使っていたと思われる、用水などが発見されました。
今月の上旬、無事遺跡調査も終わり、ようやく現在再開工事に取り掛かっております。
また、増築した場所に新しく納骨堂を設置いたします。近年、お墓のあり方が少しずつ変化しております。核家族化・少子化に伴い、お墓のお守りされている方々、また、お骨をどのようにすればいいのか、という相談が後を絶ちません。そこで当寺では納骨堂を置き、ご門徒の皆様が気軽にお寺にお参りしてもらえるような納骨堂を作っております。パンフレットが出来上がりましたらご門徒の皆様に送付させていただきます。4月頃から事前予約を開始したいと思いますので、ご希望の方がおられましたら、一度お寺の方までご連絡ください。
(合 掌)
○ 年忌のお知らせ
1周忌 | 平成22年 |
3回忌 | 平成21年 |
7回忌 | 平成17年 |
13回忌 | 平成11年 |
17回忌 | 平成7年 |
25回忌 | 昭和62年 |
33回忌 | 昭和54年 |
50回忌 | 昭和37年 |
100回忌 | 明治45年 |
年忌を迎えるご門徒の皆様は、ご自宅の過去帳を確認の上、早めの連絡お待ちしております。
○ 彼岸会の中止のお知らせ
先に述べましように、現在増築工事を行っておりますので、春の彼岸法要は中止とさせていただきます。
大変ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。
○ くらしの仏教語 人間(にんげん)
普通、人間とは、ひととか人類、人物とか人柄、人の住む所とか世の中を意味しています。
仏教では、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天という六つの世界に生死を繰り返すことを六道輪廻(ろくどうりんね)といい、その一つの世界が人間なのです。
詩僧・月性(げっしょう)の詩の「人間到る処青山あり」(じんかんいたるところせいざんあり)の人間は、世の中のことです。世の中にはどこにでも墓場がある、という意味です。
現在NHKの大河ドラマ「江」にも登場する織田信長。信長が今川義元との桶狭間の合戦に先立って、「人間五十年、下天(げてん)の内をくらぶれば、夢まぼろしのごとくなり」と、謡いながら舞う名場面があります。
また、本能寺の変で死を覚悟したとき、寺に火をつけて「敦盛(あつもり)」を舞い終わると自害して果てます。
この幸若舞(こうわかまい)「敦盛」の名文句のもとは「倶舎論(くしゃろん)」の「人間五十年、下天一昼夜」の文です。
下天とは、仏教宇宙観でいうと、須弥山中腹の四方にある四王天のことで、ここの一昼夜は人間世界の五十年に相当するというのです。
決して、人生わずか五十年といっているのではありません。皆さん、遠慮しないで、長生きしてください。
《事務局》
神戸市須磨区寺田町2丁目1-2 徳善寺内 TEL 078-732-0531
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