徳善寺だより 第6号 平成15年 11月

秋の気配も本格的に始まり、日が暮れるのも日に日に早まってまいりました。皆様方におかれましては、どのようにお過ごしですか。

夏のお盆、秋のお彼岸も終わり、後二ヶ月ほどで今年も終わりになってまいりました。ほんとうに月日の経つのが早く感じます。一日一日大切な時間をいただいていると思いながらも、明日の予定のことばかり気にしている私。なにかに迫られているような気がして、自分の足元さえ見えていない私。こんな私さえも、阿弥陀如来さまは見捨てずに救ってくださるとおっしゃられています。欲望という世界にどっぷりとつかり込んでいる私。そんな自分自身を見さしていただいけた、阿弥陀さまの力<お慈悲>に頭が下がる思いでいっぱいです。

合掌

○ 行事予定

いよいよ報恩講の時期がやってまいりました。我々、浄土真宗の門徒にとって報恩講は一番大事な行事です。宗祖である親鸞聖人のご命日をご縁として、皆様と一緒に仏法を聴聞するのが、この報恩講です。なにかと忙しいとは思いますが、是非皆様お誘いあわせて、お寺へお参り下さいますよう宜しくお願いいたします。

11月15日(土)午後2時より読経・焼香・法話

○総代の言葉

新しいご住職をお迎えして1年10ヶ月が経ちました。

今、私はふと、ご住職が初めて私宅へお参り頂いた日のことを思い出しています。お経をあげて下さる後姿が若々しく、法衣の襟足が衣に添わずその初々しさが目に残っています。そうして私の耳にもお経が届くようになりました。

毎月お逢いする度に、住職というご自分の責任が前に出て来て立派になられました。私も役を頂いたことを有難く思う日々です。微力な私ですが、お寺のお役に立てればと思っております。

ご門徒の皆様には、季節の変わり目に体調を壊されないようお気を付け下さい。又お会い出来る日を楽しみにしております。

( 総代 西川 年夫 )

○ 一語法話

『 人生とは その日 その日の 法縁である 』

この言葉は、大谷大学名誉教授であり、またすぐれた求道者でもあった金子大栄先生の言葉です。

人間の一生は、孤独な旅人によく例えられます。私たちが旅人であり、人生が旅路であるとするならば、その旅路がどんなに孤独でつらく苦しい道のりであるとしても、目的を見失わないように歩みたいものです。目的地を失った船は航海ではなく漂流となってしまうように、人生においても目的に向うべき確かな方向を見定める羅針盤がどうしても必要となりましょう。晴れの日も雨の日も、順風のときも逆風のときも、また台風や嵐の悪条件の日であっても、その荒波の一つひとつを乗り越えて目的に向って進みたいものです。

先生は晩年老いていく自分自身を見つめながら「人生とはその日その日の苦行である」と老いと病の辛い現実について、ありのまま述べられ、また一方では、そんな自分自身の煩悩の深みに自分自身を見つめ直しながら、たえず仏様との対話を繰り返し、聞思の日々を過ごされました。老・病の身となって人生の旅路の終わり実感しながらも、新たな法縁をいただき直し、浄土に往生させていただく尊い道中であることを告げて下さっています。

「人生とはその日その日の法縁である」という言葉は、仏法を聞思し、苦悩のわが身を引き受け味わうことのできた先生自身のよろこびであるとともに、「永遠に生きる道」をあゆむ念仏者全てに共通する心ではないでしょうか。

○ 編集局後記

厳しい残暑がうそのようないい気候となりました。

ご門徒の皆様お変わりなくお過ごしですか。お盆に大谷本廟にお参りしてきましたが、35°Cの京都、さすがに暑いと思いました。

総代研修会で浄土真宗のお経が話題となりました。ご門徒の皆様よくご存知と思いますが、復習という感じで今後少しずつでも勉強していきたいと考えております。

合掌

事務局 神戸市須磨区寺田町2丁目1-2 徳善寺 内 TEL 078-732-0531

( 金子 大栄 )

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