徳善寺だより 第14号 平成18年 5月

今年も早いもので半年が過ぎようとしております。4月、5月と雨がよく降っているような気がします。ご門徒の皆様におかれましては体調を崩さずにお過ごしでしょうか。

私は去年の9月から神戸西組の連続研修会というものに参加いたしております。月に一度近所の若いお寺さんと一緒にご門徒様40人ほどの方々と勉強会を行っていて今月で9回目になりました。そこで今月は「話し合い法座」と言いましてテーマに沿って参加者の皆様方と意見を交換しながら阿弥陀様のみ教えを聴いていきました。

今回のテーマは「大切なことはなんですか」というもので12項目のなかで順番をつけていくというものです。その内容は

○平和 ○家族 ○経済 ○恋愛 ○名誉 ○伝統 ○趣味 ○先祖 ○健康 ○知識 ○友人 ○権力

の12項目です。皆さん色々な順番をつけていて、大変興味深かったです。皆さんはどのような順番をつけられたでしょうか。また他の家族の方々はどのような順番をつけるでしょうか。

この議題でのミソは「誰にとって」ということです。もちろん大半のひとは自分を中心に考えられたのではないでしょうか。しかし家族にとってとか、世界にとってとか、また年代や男女など主語が誰になるかによって全く意図がかわってきます。しかし、もしこれが仏様ならどうでしょう。自分本位な立場からあらゆることを判断しがちな私たちですが、煩悩のない極楽浄土に生きる仏様なら「大切なこと」に順番をつける必要がありません。我々人間は本当に多くの事を考えています。「私の心」と「仏の心」また「他人の心」比べてみるとおもしろいかもしれません。

合掌

○ 行事予定

5月10日(土)2時より徳善寺本堂におきまして永代経法要を厳修したいと思います。皆様のお参りお待ちしております。

永代経法要

5月10日(土) 2時より 読経・焼香・法話

○ ご報告

去る3月11日徳善寺本堂におきまして彼岸会法要を勤めました。多くのご門徒の皆様がお参りくださいました。ありがとうございました。今度の永代経法要も宜しくお願いいたします。

先だって「徳善寺だより」で報告いたしました、親鸞聖人750回忌大遠忌法要の懇志ですが、たくさんの方々の懇志をいただいております。本当にありがとうございます。今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

○ 一口メモ

【法事の意義】

「今年は誰それの○回忌にあたっているから、法事をつとめねば」となると、その年の初めからいろいろと考えて、終えるまでは気の重いことでしょう。あげくのはてには、なぜこんな思いをして、何のために法事をしなければならないのだろうかと、ついグチも出てしまいます。

実際、世間ではどういう気持ちで法事がつとめられているかといいますと、たいてい、

1 亡き人の霊をなぐさめて加護をもとめる「慰霊の意味」

2 亡き人をお経の力によって助け救いたいという「追善の意味」

3 生前の不幸の罪ほろぼしをしたいという「贖罪(しょくざい)の意味」

4 うちだけつとめないわけにはいかないので、という「世間体の意味」以上のようなこころが関係しあってつとめられているのが実状ではないでしょうか。

私たちが法事といえば、ふつう亡き人の年忌仏事を行うことをいいますが、文字からいうと「仏法の事」ですから、月命日も朝夕のおつとめも報恩講もすべて「仏事」「法事」といえます。また、僧侶を招き親類縁者を招いておつとめすることからいえば「僧事」(僧伽=サンガ)ともいいます。要するに、私たちが仏さまをおまつりして仏法への信心をより深くするご縁となるものです。確かに身近な亡き人、先祖のためにということがないと「法事」はつとまりませんが、ただそこにとどまっていないのが真宗の法事です。

亡き人を偲び、そのご恩を思って感謝のこころを新たにするとともに、それをご縁として自分が仏法にふれ、先祖も願い歩んできた真の道をたずね、ご先祖とともに聞法の座につくこと、つまり法事は仏法を聞く行事なのです。あくまでも仏法が中心の行事というのが、法事の意義です。

事務局 神戸市須磨区寺田町2丁目1-2 徳善寺 内 TEL 078-732-0531

戻 る

トップへ