徳善寺だより 第15号 平成18年 11月

木々が鮮やかに色づき始めています。早いもので今年も後数ヶ月となってまいりました。ご門徒の皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

近頃新聞紙上に大きく取り上げられている、北朝鮮の核実験問題。皆様方はどのように思われていますか。日本は戦後61年が過ぎました。その間、もちろん日本は戦争をしておりません。このことは本当に世界に胸を張って言える大きな出来事だと思います。また、同時に、広島や長崎に落とされた核爆弾を忘れないためにも、もっと世界に発言しなければいけないと私は思っております。

私たちは今「平和」なのでしょうか。現在の平和というものは、万が一にでも戦争が起これば、人間諸共、生きとし生けるものすべてを、殺してしまうほどの破壊力のある核兵器と共存している「平和」です。本当の「平和」ではないと思います。

「核」と言う恐怖に怯えながら共存する人間。なぜ私たちは共存共栄できないのでしょうか。同じこの世に有難く生まれてきた人のも同志なのに。

ひとの「いのち」という価値が、段々と見失っていく現代。「生きる」ということ、「死ぬ」ということ。わたしの「いのち」ではなく、いただいた「いのち」であるという自覚があれば、戦争という行いはこの世からなくなるのではないでしょうか。そうなった時に本当の「平和」がやってくるのではないのかと思います。

そして、今私たちが出来る事とは。一人一人の「いのち」の自覚が今問われているのではないでしょうか。

合掌

● 行事予定

11月11日(土)2時より徳善寺本堂におきまして報恩講法要を厳修したいと思います。皆様のお参りをお待ちしております。

報恩講法要

11月11日(土) 2時より 読経・焼香・法話

● ご報告

先だって「徳善寺だより」で報告いたしました、親鸞聖人750回忌大遠忌法要の懇志ですが、たくさんの方々の懇志をいただいております。本当にありがとうございます。今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

● 一口メモ 【 浄土真宗で位牌を用いないのは 】

そもそも位牌というのは、中国の儒教(孔子の教えを奉ずる学者のこと)を用いられたもので、故人の生存中の官位と姓名を書いた牌(ふだ)が位牌でそこには神霊が宿ると信じられていました。(この考え方を霊魂説といいます)

この考え方が、日本の先祖崇拝と結びついて、仏教でも用いられるようになりました。仏壇が「霊の宿るところ」という考えがあると思われます。

浄土真宗で位牌を用いないのは、位牌がそうした仏教にはそぐわない霊魂説にもとづいたものだからです。

浄土真宗では、ご仏壇はご本尊「阿弥陀如来」さまをおまつりするところであり、「死者をまつるところ」ではないとしています。従って位牌はありません。

浄土真宗では、故人を偲ぶものとして、過去帳・法名軸があります。故人の法名・俗名・死亡年月日などを記載します。

過去帳はご本尊の妨げとならないよう、お仏壇の中段脇か下段においてください。その前には水や食べ物は供えません。

● 仏事の疑問

Q:報恩講は、なぜつとめる?

A:報恩講は、親鸞聖人のご命日(旧暦で 11月28日、新暦で 1月16日)につとめられる“報恩”の“講”(法会)です。このご命日のことを「ご正忌」と呼び、一般の寺院では、本山のご正忌の報恩講にさきがけてつとめられることから「お取越し」などと呼ばれています。

Q:先妻のお墓に後妻も入ってもいいのか?

A:仏教、それも真宗では、人権差別はもちろんのこと、男女の違い、年齢や外形上の違い、国籍や皮膚の色の違いなどから生ずるいっさいの差別は認めません。まして、死後にまで立場の違いを持ち込むことなど論外です。

Q:お仏壇の方角は?

A:お仏壇の向きについては、迷信、俗信にまどわされることはありません。お参りしやすい場所なら、どの方角になってもかまいません。

事務局 神戸市須磨区寺田町2丁目1-2 徳善寺 内 TEL 078-732-0531

(出典:「仏事のイロハ」末本弘然著)

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