徳善寺だより 第20号 平成20年 5月

今年の春は暖かく穏やかな気候が続いております。ゴールデンウィークも晴天に恵まれ、ご家族で楽しい時間を過ごされたことと思います。私事ではございますが昨年夏に生まれた我家の息子も初節句を迎えることができ、日々の成長に驚かされております。ご門徒の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

先日、お葬式の依頼があり、お参りにいってまいりました。亡くなったのは12歳の男の子でした。10歳で肝臓癌にかかり、2年の闘病生活ののちお浄土へと還られていきました。私が彼と出逢ったのは亡くなってからでしたので、彼がどのような人生が送ってきたのかはわかりません。しかし彼の遺影を見ていると、小さいながらも病気と闘いながら一生懸命生きたんだなと思うような、本当にすがすがしい笑顔の写真でした。

お通夜のとき、お父さんが私に「死ぬ順番があったらええのにな。俺のいのちと代えられたらな」と涙ながらにおっしゃっていました。なかなか掛けてあげる言葉が見つかりませんでした。少し間をあけて私はお父さんに「息子さんはお父さん、お母さんの子供に産まれてよかったと思っておられると思いますよ。子供さんの分まで精一杯、いのちを頂いてください。息子さんもそう願っていると思います」と。

いのちの順番。本当に深く考えさせていただきました。いのちには順番もなく、良いも悪いもありません。しかしながら、そう思う気持ちは当たり前なのかもしれません。いのちには答えなどありませんが、ただこれだけは言えることは、いのちが産まれるということは、そこに出逢いがあるということ。その出逢いには喜びがあるということ。その喜びは人を感謝する気持ちにさせてくれるということ。

この世で人と出逢うということは本当にすばらしいことだと思います。出逢いというご縁に。

合掌

○ お礼

先だっては前坊守(岡崎 和子)の往生に際しましては春寒厳しい季節にもかかわらず会葬賜り重ねて御丁重なる御香儀を頂戴いたしましたこと厚く御礼申し上げます。お蔭をもちまして満中陰法要を滞りなく勤修させていただきました。

つきましては早速拝眉の上いちいちご挨拶申し上げる筈でございますが書中をもって御礼申し上げます。

なお存命中の御厚情有り難く感謝致します。 合 掌 徳善寺 住職 安積義龍 親族一同

○ 永代経のお知らせ

毎年恒例の永代経法要を勤修いたします。皆様お揃いでお参り下さいますよう、よろしくお願いします。

日 時 6月8日(日) 午後2時より (徳善寺本堂において) 勤行・焼香・法話

○ 親鸞聖人 報恩まつり

とき 平成20年5月27日(火) 会場 12:00 開式 13:00

ところ 神戸文化大ホール 主催 神戸真宗連盟 詳しくは住職までお尋ねください

○ 一口メモ

お念珠(おねんじゅ)は数珠(じゅず)或いは珠数(じゅず)ともいいますが、浄土真宗では“念珠”という言い方が多く用いられます。

珠の数についてはいろいろの説がいわれていますが、一般に使われる単念珠では数に規定があるわけではなく、あまりこだわらない方がよさそうです。

浄土真宗では念珠を、煩悩を滅する為の道具として用いるのではなく、又、読経や念仏の回数を数えるため使うでもありません。ただ、如来さまに合掌礼拝する時に礼儀として用いています。

念珠は常に房を下にたらし、左手に持つようにします。念珠の房は男性が「ひも房」女性は「切り房」を用います。念珠は大切な法具ですから、お経の本(聖典)と同様、畳や床(ゆか)に直接置いたり、投げたりはしないようにして下さい。

(出典:仏事のイロハ 末本 弘然著)

総代 尾川一

事務局 神戸市須磨区寺田町2丁目1-2 徳善寺 内 TEL 078-732-0531

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