徳善寺だより 第21号 平成20年 11月

今年も残すところ早2ヶ月になりました。日も段々と短くなり、草木も色を変えはじめ自然界も冬支度を始めたような気がします。ご門徒の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

現在NHKで放送されている大河ドラマ「篤姫」。皆様はご覧になっていますか。私の家では初回から毎回欠かさず見ております。幕末の時代、薩摩の分家に産まれた篤姫が徳川13代将軍家定の妻(御台所)となり、生涯を通して260年続いた徳川家を見届けた人物の物語であります。

幕末の乱世。世の移り変わりがめまぐるしいなか、家督という重責を背負い、一つの信念を貫いて生きた篤姫。試練の連続でも前向きに生きた彼女の姿勢。優しさと力強さを持ち合わせた篤姫から現在の私たちに生きるヒントを教えていただいているような気がして、毎回目が離せません。

家督という重み。真宗教団にしても親鸞聖人の教えを800年にわたり継承しております。篤姫とは立場が違いますが、お寺という所も跡継ぎ問題は切っても切り離せません。寺坊は私で3代目でありますが先代、先々代が人生をかけて積み重ねてきたものを私が継承している訳です。

現在は核家族化、少子化が進み、家庭の中で先祖とのつながりを意識する機会が減っております。しかしながら、皆様お一人お一人にも、何百年、何千年とつながってきたものがあるのです。その重みを私たちは受けとめながら生きているのでありましょうか。

また私たちが今生きている時代も乱世なのかもしれません。時代が急速に発展する中、本当に何が大切なのか、また何を守らなければならないのかを問われているのかもしれません。

時代を読む「目」と「心」を先人から学び、生きている喜びを感じながら精進することが大切なのかもしれません。

合掌

○ 報恩講のお知らせ

毎年恒例の報恩講法要を勤修いたします。皆様お揃いでお参り下さいますよう、よろしくお願いします。

日 時 11月16日(日) 午後2時より (徳善寺本堂において) 勤行・焼香・法話

○ 一口メモ

「おろうそく(蝋燭)」について

私たちはお勤めをするときは、お仏壇にろうそくでお光をあげます。(昔は菜種油のお灯明でした)

この「おろうそく」は周囲を明るく照らす“光”で阿弥陀如来さまの智慧を象徴するといわれ、次のような意味があります。

・“光”は私たちの心の奥底の迷いの闇をくまなく照らして真実に向わせる智慧の光明といわれます。・また、“熱”は如来さまのお慈悲の“温もり”で私たちの固く閉ざした心を解きほぐして下さるといわれます。

喜びの場合には「赤ろうそく」を用います。(入仏法要、建碑式、報恩講、長い年忌法要など)

お仏壇のためには洋ろうそくよりも和ろうそくのほうが煤の性質上よいとのことです。

( 出典:研修読本、仏事のイロハ ) 総代 尾川一

○ 仏事の疑問

Q:お仏壇の置き場所や向きに何か定めがありますか。

A:真宗門徒にとってお仏壇は「お内仏」といい、場所はそれにふさわしい落ち着いた雰囲気の場所であればどちらでもよいとされています。また方角についても定めはありませんが、古来から西方浄土の往生をねがうところから、西向きに礼拝できるよう安置するといういわれがあります。

住宅事情でお仏壇の置き場所にも制約がありますので、要は礼拝の高さを考慮して、その場所に応じたものを安置すべきです。

事務局 神戸市須磨区寺田町2丁目1-2 徳善寺 内 TEL 078-732-0531

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