徳善寺だより
徳善寺だより 第25号 平成22年 2月
今年も早や1ヶ月が過ぎ、寒暖の差が大きくなってまいりました。ご門徒の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。本年もよろしくお願いいたします。
先月、1月30日に須磨ノ浦女子高等学校で親鸞聖人750回大遠忌法要を行いました。約600人入る会場が満席になり、盛大に行うことができました。ご参拝くださいましたご門徒の皆様、ありがとうございました。
この法要の最後にテレビなどでご活躍されている辛坊治郎氏(読売テレビ解説委員長)が記念講演をしてくださいました。その中で「話す」こと「聞く」ことについてのお話がありました。辛坊氏は元々アナウンサーになりたくてなったのではなく、たまたまアナウンサーがいなくて仕方なくなって今に至っているそうです。1年間会社の屋上で毎日発声練習を行った辛坊氏は現在では世間の皆様が認める看板アナウンサーです。しかしその辛坊氏が「話すことは、練習と場数をこなせば誰でも上手に話せるようになるんです。でも聞くということは、練習しようがありません。話すことより、聞くことのほうが難しいんですよ」とお話されていました。
私も法事の後などで話しをすることがあるのですが、なかなか上手く話すことができません。まだまだ練習と場数をこなさなければいけないと思いつつ、さらに聞くことのほうが難しいとは、本当に頭が下がる思いになりました。
確かに「聞く」ということは、相手の立場になって物事を聞かなければならないのです。自分本位に考えていては、自分の都合で物事を聞いてしまいます。そうすると相手の伝えたいことが伝わらなくなってしまいます。そこに「誤解」というものが生じてくるのです。相手の立場になって物事を「聞く」ということは、本当に難しいことだなと、改めて「聞く」ことの意味を聞かせていただきました。
来年はいよいよ、京都の本願寺で750回大遠忌が行われます。平成23年4月16日(土)に神戸西組(須磨区、長田区のお寺)で集って団体参拝に行く予定をしております。お念仏の喜びを後世に伝えてくださった聖人の御前で朋にお念仏できたらと思っております。50年に一度の法要ですので、この機会にできるだけ多くのご門徒の皆様とご一緒にお参りしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
(合 掌)
○ 年忌のお知らせ
1周忌 | 平成21年 |
3回忌 | 平成20年 |
7回忌 | 平成16年 |
13回忌 | 平成10年 |
17回忌 | 平成6年 |
25回忌 | 昭和61年 |
33回忌 | 昭和53年 |
50回忌 | 昭和36年 |
100回忌 | 明治44年 |
年忌を迎えるご門徒の皆様は、ご自宅の過去帳を確認の上、早めの連絡お待ちしております。
○ 彼岸会のお知らせ
毎年恒例の彼岸会法要を勤修いたします。皆様お揃いでお参り下さいますよう、よろしくお願いします。
日 時 3月14日(日) 午後2時より (徳善寺本堂において) 勤行・焼香・法話
○ くらしの仏教語
一期一会(いちごいちえ) 5月21日は、親鸞聖人のお誕生日で、西本願寺では、宗祖降誕会の法要が厳修されます。このとき、国宝の飛雲閣でお茶会が催されます。一期一会は茶道の言葉です。
「一期」は人が生まれてから死ぬまでの一生、一生涯。「一会」はひとつの宗教的なつどい。ともに仏教語ですが、「一期一会」という成句は仏典にはありません。しかし、仏教の精神を表しています。
一期一会は、千利休の弟子・山上宗二(やまのうえそうじ)の著『山上宗二記』にある「一期に一度の会」から生まれた言葉です。この言葉を、一流の茶人でもあった幕末の大老・井伊直弼がその著『茶湯一会集』の中で茶の湯の心得として述べました。
それは、「そもそも、茶湯の交会は、一期一会といいて、たとえば幾度おなじ主客交会するとも、今日の会にふたたびかえらざる事を思えば、実に我一世一度の会なり」と記し、一生にたった一度の出会いだから、主人も客も万事に心を配り、実意をもって交わりなさいと諭しています。
諸行無常の世の中、日常生活でも一期一会の心を持って、ご縁を大切にしたいものです。
事務局
神戸市須磨区寺田町2丁目1-2 徳善寺内 TEL 078-732-0531
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